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時間の経過とともに、コンタクトレンズでの見え方が悪くなる原因として、二つのことが考えられます。一つは、涙の状態です。涙は常に分泌され、レンズの表面に広がって、目やレンズを乾燥から守っています。このレンズの表面の涙が不安定になると、外から入る光の屈折が乱れて、クリアな視界が得られず、見え方の質が低下します(図1)。
ソフトコンタクトレンズの場合、レンズ表面に広がる涙は、もともと、とても薄く不安定な状態になるといわれていますが、夕方以降になると、生理的に涙の分泌量が減り、さらに不安定に。またエアコンの効いた低温・ 低湿度の環境にいる、パソコンやスマートフォンなどのIT作業を長時間おこなうなど、環境の影響を受けると、レンズ表面の涙は、よりいっそう不安定になると考えられます。
もう一つの原因として、視力の矯正が適正でない可能性が考えられます。たとえば、近視を適正な度数よりも強い度数のコンタクトレンズで矯正している場合(過矯正)や、乱視が未矯正の場合などです。適正な矯正ができていないと、目の中の水晶体が常にピント調節をしながらモノを見なければなりません。そのため夕方になると、この水晶体の調節力を長時間維持できず、だんだんと見えにくくなることがあります。
対策として、IT作業時には、エアコンの風が直接あたらないようにする、1時間ごとに10~15分目を休めるなど、環境をととのえてみましょう。また眼科を受診し、必要に応じて、乾燥しにくい素材のコンタクトレンズへの変更や、適正矯正を目指した度数の見直し、目薬の処方を受けてみてはいかがでしょう。