私たちは「見える」ことから得る情報に大きく依存して生活しています。この、ものが見えるという感覚(視覚)はどのようにして生まれているのでしょうか。視力低下について考える前に、そもそもどのようにしてものを見ているのかを理解しておきましょう。
私たちが見ているものは「光」です。木を見ているときも花を眺めているときも、見ているものはすべて「光」です。
目は、見ようとしているもの(視標)が放つ光を感知しています。暗くなっても木も花もそのままそこにありますが、明るいときのようにはっきり見えないのは、光が少ないからなのです。視標が放つ光は、自ら放つものである場合もあれば、視標が反射した光である場合もあります。例えば、部屋にあるものでは、電球や携帯電話、テレビ、パソコンといったものは自ら光を放っています(電源が入っている場合)が、椅子や机、床や壁、本や食品などは、電球から放たれた光を反射する形で光を放っています。いずれの場合も、私たちが見ているものは光であるということになります。
さて、目から入った光は、視神経(ししんけい)という神経を通って脳に伝えられ、脳で視覚が生まれます。