乱視の診断に必要な検査方法とは?
見たいものがぼやけたり、見えづらかったりしたために、眼科を受診して検査を受けたら、実は乱視が原因だったということがあります。自分で「乱視かな?」と思うことがあっても、実際に眼科でどのような検査をするのかわからず、不安に思う方も多いでしょう。ここでは、眼科で行われている乱視の検査方法や、検査の流れなどについて解説します。
作成日:2022/12/13 更新日:2026/03/19

乱視のしくみ
乱視とは、目の構造[角膜(黒目)や水晶体]に歪みがあるために、目の中で光が均等に屈折(曲がる)せず、見たいものの焦点が1つにまとまらない状態のことです。
眼科では、目の中で光がどのように屈折しているかを調べるための検査を行います。
乱視には近視や遠視のように、眼鏡やソフトコンタクトレンズで矯正できる場合があります。
一方、角膜などの病気(例:円錐角膜などで角膜の形状に異常があるケース、重度の角膜瘢痕)が原因で、眼鏡やソフトコンタクトレンズで十分に矯正できないことがあります。
そのような場合は、専門医による詳しい検査と治療方針の検討が必要です。
検査では、どのような状態の乱視であるか、また矯正できる場合は必要なレンズの度数(乱視の度数)や方向(乱視の角度)などを詳しく調べます。乱視の状態を正確に把握することで、その人に合った矯正方法を決めていきます。
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乱視を調べる主な検査方法
乱視は屈折異常の一つです。屈折異常(近視・遠視・乱視)が疑われる場合は、専用の機器などを使って、屈折異常の種類や程度を調べる屈折検査を行います。
屈折検査には大きく分けて「他覚的屈折検査」と「自覚的屈折検査」があります。他覚的屈折検査とは、専用の検査機器を使って、乱視を含む目の屈折状態を客観的に調べる検査です。
自覚的屈折検査は、患者さんの応答に基づき、乱視を含めた屈折異常の程度を調べる検査です。専用の検査用眼鏡とレンズを介した見え方を患者さんに答えてもらいながら、良い見え方が得られる度数を調べます。

屈折異常(近視・遠視・乱視)の程度と角膜の形状(目のカーブ)などを客観的に調べます。
目に弱い赤外線を当てて、目の中で光がどのように屈折しているかを調べます。画面を数十秒のぞくだけで屈折異常(近視・遠視・乱視)の程度と角膜の形状(目のカーブ)などを測定できます。
機器をのぞいた先にある絵は、はっきり見えたり、ぼやけたりします。これは、目の調節をできるだけ緩めた状態に近い値を調べるための工夫です。
ただし、子どもや調節力が強い方では、より正確な数値を得るために、目の調節を一時的に麻痺させて検査することがあります。
通常、絵がぼやけて見えることがあっても測定は行えますが、不安がある場合は検査担当者に伝えてください。
また、多くの屈折検査は痛みを伴いませんが、個人差があり不快感を覚える方もいるため、気になることがあれば事前に申し出るとよいでしょう。
他覚的屈折検査:検影法
レチノスコープと板付きレンズと呼ばれる機器を用います。レチノスコープから発せられる検査用の光を、板付きレンズを通して網膜に当て、その反射光と影の動きから屈折値を測定する方法です。
検影法は、検査を受ける人の体位を選ばずに行えるので、子どもの屈折異常を調べるときに使われることもあります。歴史の長い検査法ですが、検査する人の技量で精度に差が出る可能性があります。
他覚的屈折検査(オートレフケラトメータや検影法)は客観的な測定で用いられますが、これで得られた測定値は自覚的屈折検査の際の参考値として用いられ、処方は後述する自覚的屈折検査の結果で判断します。
また、涙液の状態や角膜の不規則性により測定誤差が生じることがあります。
自覚的屈折検査:放射線乱視表
患者さんの応答に基づき、乱視を検出する検査の1つです。この検査では、放射線乱視表といわれる線が放射状に描かれたものを用いて検査を行います。
乱視表を片目ずつ見たときに、乱視がなければ、どの線も同じような太さではっきりと見えますが、乱視がある場合には、一方向の線の太さや濃さが違って見えます。
時計の文字盤のように数字が書かれているので、12時6時方向が濃く見える、などと答えるとよいでしょう。

自覚的屈折検査:クロスシリンダー法
乱視を検出するための別の方法として、クロスシリンダーと呼ばれるレンズを使う検査もあります。
検査する眼科医や視能訓練士がクロスシリンダーのレンズを反転させながら、検査を受ける方に『どちらがはっきり見えるか』を答えてもらうことで、乱視の角度および乱視度数を検出する方法です。
検査の流れ
まとめ
ここでは、眼科で行う屈折異常(特に乱視関連)の検査や検査の流れについて解説してきました。具体的な検査方法を知ることで、検査に対する不安感が少し和らいだのではないでしょうか。
乱視の程度によっては、街灯や信号の光がにじんで見えることがあります。加えて、長時間にわたり目を使うことで疲れや肩こり、頭痛を感じることもあります。気になる症状があれば、眼科を受診してください。
<参考資料>
・梶田 雅義:あたらしい眼科 31(12):1821-1822, 2014
・根木 昭 監:「眼科検査ガイド」 第3版 文光堂, 2022
・清水 公也:乱視(正乱視・不正乱視). 日本医事新報社電子コンテンツ. 2017年3月.
・原 雄将:Eye Bank Journal. 2021; 25(1): 30-35.








