兎眼とは、何らかの原因でまぶた(眼瞼)を完全に閉じることができず、いつも目が少し開いたままになってしまう状態のことをいいます。もともとは、「ウサギはまばたきが少なく、開眼したまま寝る」といわれていたことからこの名前がついたそうですが1),2)、現在ではウサギも目を閉じて眠ることがわかっているため、事実とは異なるようです1),2)。
兎眼の程度は、夜眠っている間のみ、まぶたをうまく閉じることができない夜間兎眼のような軽症例から、常にまぶたをうまく閉じることができない重症例までさまざまです。軽症例では、目の乾燥やドライアイなどの訴えで受診され、目の表面にも大きな異常を伴わない場合もありますが、重症例になると、角膜(くろ目)の表面が傷ついたり、部分的にはがれたりしてしまい、最終的には角膜が濁ったり、視力低下を招いたりすることもあります。