ドライアイは、目を守るのに欠かせない涙の量が不足したり、涙が目の表面にとどまりにくくなったりして目の表面が乾きやすくなる病気であり、目の表面に傷を伴うことがあります1)。いわば、ドライアイは涙の病気ともいえます1)。
日本では、2,200万人もの患者さんがいるとされ、その数はさらに増加しつつあるといわれています1),2)。
ドライアイの定義
ドライアイという用語が実際に使われるようになったのは、1990年頃からとされていますが、1995年には世界に先駆けてドライアイの定義と診断基準が日本で作成されました3)。その定義と診断基準は何度か改訂され、現在のドライアイ診療ガイドライン(2019)では、ドライアイは「様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがあるもの」と定義されています3)。
ドライアイの分類3),4)
ドライアイは、涙の分泌量そのものが低下(量的な異常)する「涙液減少型」と、涙が分泌されているにもかかわらず、涙の性質や涙を保持する能力が変化(質的な異常)し、涙が目の表面にとどまることができず、すぐに乾いてしまう「蒸発亢進型」の2つに大きく分けられます。
なお、質的な異常の一部に、「BUT(涙液層破壊時間)短縮型ドライアイ」と呼ばれる種類のドライアイがあります。これは、涙は分泌されているのに目の表面で涙が安定せず、目を開けてから5秒以内に涙が乾いてしまうタイプです。
近年、このタイプのドライアイが増加しています。