ご存じでしたか?カラーコンタクトレンズの安全性
作成日:2024/11/13 更新日:2024/11/13
カラーコンタクトレンズも高度管理医療機器です
近年、「目をより大きく見せたい」と、カラーコンタクトレンズ(カラコン)を希望する中高生が増えています。初めて装用するコンタクトレンズがカラコンという場合も多く、眼科を受診しないで購入しているケースも珍しくありません。そのため、製品の安全性への知識や正しい使い方を知らないまま装用している場合もあるようです。
人もしくは動物のケガや病気の予防(検査)、診断、治療に用いられるものを医療機器といい、「人体に与えるリスクの程度」によってⅠ~Ⅳのクラスに分類されています。カラコンは目に直接つけて使用するため、間違った使い方をすると、目の健康を損ねてしまう場合があります。そのため、実は、心臓のペースメーカーなどと同じ、「高度管理医療機器」に指定されています。
カラコンは雑貨と誤解されている場合もありますが、通常のコンタクトレンズと同様、高度管理医療機器です。添付文書に従い、正しく使用することが大切です。
カラコン購入時に眼科を受診している割合は?
では実際に、中高生の何割ぐらいが、カラコン購入時に眼科を受診しているのでしょう。全国のカラーコンタクトレンズ(サークルレンズを含む)を使用している12~39歳の女性500人を対象に、インターネットによる調査1)を行いました。その結果、若年層ほど眼科を受診しない割合が高く、中高生の約6割が、眼科医の処方なしにカラコンを購入している実態が明らかになりました。
レンズの色や着色直径だけを重視していませんか?
見た目の印象を大きく変えたいからと、レンズの色や着色直径だけを重視していませんか?カラコンは、製品によって安全性に大きな違いがあることが問題になっています。大切な目のために、レンズの安全性についてもチェックしてみましょう。
POINT 1:着色方法
色素が直接目に触れないように着色されているか
カラーコンタクトレンズは、色素をレンズに加えることで着色していますが、この着色方法が目の健康にとって重要なポイントです。
レンズの最表面、つまりまぶたに触れる側に着色されていたり、色素が最表面に露出していたりする構造のレンズの場合、この色素によってまぶたの裏や目の表面が傷ついてしまう可能性があります。
このため、色素が直接目に触れないように着色されたレンズを選ぶことが大切です。
POINT 2:酸素透過性
目に必要な酸素がしっかり届いているか
目の健康を守るためには酸素が必要です。角膜には血管が存在しないため、涙に溶け込んだ大気中の酸素を取り込んでいます。そのため、コンタクトレンズを装用すると、素材によっては裸眼の状態と比較して、酸素の供給量が減ってしまいます。酸素がレンズ素材を通るかどうかだけでなく、色素が酸素の通る妨げにならないように着色されていることもポイントです。
POINT 3:UVカット
紫外線(UV)カット機能付きのレンズかどうか
目が紫外線を浴びつづけると、ダメージが蓄積し、将来的にさまざまな眼病につながる可能性があるといわれています。そのため、目に対する紫外線対策も重要です。その対策の1つとして、UVカットコンタクトレンズがあります。紫外線は反射したり雲などを透過したりして肌や目に届くため、季節を問わず、日常的に紫外線対策をしておくことが大切です。
眼科医と一緒に、自分の目に合った信頼できるレンズ選びを
カラコンは製品により医療機器としての性能が大きく異なります。例えば非常に古い素材を使っている製品から、新しい素材を使っている製品まで幅広く存在します。また、レンズの着色部分の加工(色素の置き方)も安全性の高いものから低いものまでさまざまです。視力はもちろん、目の形や健康状態は、人それぞれ異なります。自分の目に合わないレンズでは、つけ心地が良くないだけでなく、目を傷つけたり、見え方に影響を及ぼしたりすることもあります。大切な目がいつまでも健やかに、美しくあるために、眼科医の診察を受けて、安全性の高いレンズを正しく使うようにしましょう。
カラーコンタクトレンズを使っているお子さんがいる方へ
カラコンを使っているお子さんがいる方は、お子さんに時々声をかけ、目の状態やレンズの状態、不安になっていることがないかなどを確認し、サポートしてあげましょう。
STEP1
目のトラブルサインを見逃してないか、お子さんと一緒に目の状態を確認してみましょう。
STEP2
着色方法や酸素、目の紫外線対策など、レンズや目の安全性について、お子さんと一緒に考えてみましょう。
STEP3
受診が不安なお子さんの場合には、眼科へ行くメリットを伝え、受診を後押ししましょう。可能であれば保護者も同伴し、一緒に説明を聞くと良いでしょう。
まとめ
カラーコンタクトレンズは雑貨ではなく、高度管理医療機器です。大切な目の健康と美しさを守るため、色やデザインだけでなく、レンズの着色方法、酸素透過性、UVカット機能の有無などにも着目し、眼科医の診察を受けて、安全性の高いレンズを正しく使うようにしましょう。
<参考資料>
1) カラーコンタクトレンズユーザー500人の実態を緊急調査! ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社調べ, 2013
https://acuvuevision.jp/sites/acuvue_jp/files/acuvue-press-0125.pdf