代表的な原因として2つ挙げられます。1つは、コンタクトレンズの度数が合っていない(合わなくなった)ということ。もう1つは、いわゆる「老眼」と呼ばれる現象が始まっているということです。この両方が原因のこともあるでしょうし、片方だけのこともあるでしょう。他の原因もあるかもしれません。原因の確定は眼科でしてもらうようにしましょう。
コンタクトレンズの度数が合っていない(合わなくなった)
今お使いのコンタクトレンズは眼科で処方してもらったものでしょうか?眼科で処方してもらったとしても、最後に検査を受けたのはいつでしょうか?
目の度数は時間とともに変化することがあります。何年も同じものを使い続けていると、気づかない間に目の度数とコンタクトレンズの度数が合わなくなることがあります。「コンタクトレンズをつけると近くが見えにくくなる」状況としては、例えば、ご自身の目の近視の度数が、最後に検査を受けたときより弱くなっている場合です。ご自身の近視が弱くなっているのにレンズの度数がそのままだと、コンタクトレンズ装用時には軽い遠視の状態となり、遠くはご年齢によってはあまり影響を受けなくても、近くは見えにくくなってしまいます。
また、まれに目の病気で一時的に近視の度数が弱くなることもあり、目の病気が潜んでいる可能性も否定できません。
そういえば、しばらく眼科で検査を受けてないなあ・ ・ ・ と思われた方は眼科を受診するようにしましょう。
いわゆる「老眼」が始まっている
老眼が始まっている・ ・ ・ そんなことはあまり考えたくないなあと思う方もいらっしゃるかもしれません。実は、老眼の正体である「ピントを合わせる力の減少」そのものは、ずっと前から少しずつ始まっていることで、いま始まったことでもないのです。
近視(近くは見えるが遠くは見えない)の方が多いと思いますので、近視を例にご説明します。近視の方は目のピントが近くにあります。そして、遠くは見えません。コンタクトレンズを装用すると裸眼では見えなかった遠くが見えるようになるのは、レンズが目の前にあったピントをうんと遠くへ持って行くからです。その状態で近くを見るためには、レンズが遠くへ運んだピントを、自分の力で近くへ持ってこないといけません。この、「ピントを持ってくる力」は長い年月をかけて少しずつ減退してきます1)。