モノビジョンとは、老眼を矯正する方法の1つで、片方の目は近くが見えるように、もう片方の目は遠くが見えるように矯正し、両目が開いている状態のときには、遠くから近くまで見えるようにします1),2)。従来、モノビジョン法はコンタクトレンズで行われてきましたが、近年では、屈折矯正手術や白内障の手術などにも応用されています。
モノビジョンとは? コンタクトレンズで老眼の矯正ができるって本当?
作成日:2022/12/14 更新日:2024/05/16
モノビジョンとは?
モノビジョンによる老眼の矯正方法
老眼とは、加齢に伴い水晶体の弾性が失われて硬くなり、遠くを見たり近くを見たり、自由にピントを変える力(調節力)が低下し、遠くが見える(矯正)状態のままでは近くのものを見るのが困難になる状況をさします3),4)。
老眼の矯正方法には、老眼鏡や遠近両用眼鏡を使用したり、遠近両用コンタクトレンズを装用したり、手術を行うなどさまざまな方法がありますが、モノビジョン法による矯正を行う場合もあります5)。具体的には、原則として利き目(優位眼)の方を遠くが見えるように、利き目でない方(非優位眼)を近くが見えるように矯正し、両方の目を開けている状態では、遠くも近くも見えるようにします2)。
この方法は、うまくいけば、両眼で遠くから近くまでカバーできるので大変便利ですが、左右の目の見え方が異なるため、モノビジョンにしてからしばらくは、脳がその見え方に慣れるまでに時間がかかったり、疲れやすくなったりすることがあります5)。
なお、モノビジョンによる老眼の矯正は、全ての人に適応するわけではありません。左右眼の矯正状態を変えることになるため、慣れる慣れないの問題以前に、斜位や斜視といった目の向きの問題などを含め、モノビジョンがそもそも向かない状態の方もおられます。モノビジョンでの矯正を希望する場合には、必ず眼科を受診し、眼科医に相談するようにしましょう。
まとめ
老眼の矯正にはさまざまなアプローチ法がありますが、どの方法で矯正を行うかについては、症状や目の状態によっても異なります。老眼の矯正方法としてモノビジョン法に興味がある場合には、眼科を受診し、検査を行い、自分の目に最も適した方法を眼科医と相談するといいでしょう。
<参考資料>
1) Jain S, et al.:Surv Ophtalmol 40(6):491-499, 1996
2) 新田 任里江 他:日眼会誌 111(6):435-440, 2007
3) 公益財団法人 日本眼科学会:目の病気 病名から調べる
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=36
4) 医療情報科学研究所 編:「病気がみえる vol.12 眼科」 第1版 メディックメディア, 2019
5) 日本老視学会:一般の皆様へ 老視(老眼)とは