コンタクトレンズ

コンタクトレンズを購入するときの検査とは？ランドルト環（Cマーク）の意味や検査の流れ・種類を解説

コンタクトレンズを初めて購入するときには、最初にどこで何をすればいいのか、どんな検査をするのか、わからないことも多いのではないでしょうか？この記事では、初めてコンタクトレンズを購入する際の流れを、眼科での検査内容も含めて解説します。

作成日:2024/11/13　更新日:2024/11/13

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コンタクトレンズを購入するには？

コンタクトレンズは高度管理医療機器です。初めて購入する場合はカラーコンタクトレンズ（カラコン）を含め、購入前に必ず眼科での検査・処方を受けましょう。眼科ではあなたの目の検査を行い、視力や角膜のカーブだけでなく、眼疾患の有無や目の健康状態、涙の状態やコンタクトレンズの動き、使用目的や使用環境などを総合的に判断して、眼科医が適したコンタクトレンズを処方してくれます。インターネット通販などで購入する場合も、眼科での検査を受けましょう。

なお、眼科受診の際には、保険証を持参しましょう。

眼科での検査・処方手順^1)～5)

あなたに適したコンタクトレンズを決めるために、眼科では次のような手順で検査・処方を行います。

1.問診

装用希望・装用歴・病歴・薬歴などの確認

受診理由、コンタクトレンズの装用経験、想定される装用環境、要望などの確認
眼疾患、全身疾患の既往、アレルギー疾患の有無・内容の確認

2.検査

目の屈折状態などの検査

他覚的屈折検査（オートレフケラトメーター）
自覚的屈折検査
その他の目の検査（涙液の状態の検査、眼圧検査など）

3.診察

目の健康状態の確認

細隙灯顕微鏡検査など、コンタクトレンズを装用しても問題ない目であるかを眼科医が確認
（目の表面の傷、結膜の状態、涙液の状態）
必要に応じて詳しい検査を行う場合もある

4.レンズの選択

トライアルレンズの装用・フィッティングの検査

トライアルレンズ装用後に、眼科医によるフィッテイング検査（目の上でのレンズの動きなどを確認）
トライアルレンズで視力検査 ➡ 必要に応じて追加矯正 ➡ 度数の決定

5.取り扱い指導

装用練習

コンタクトレンズのつけ外し方法の練習、レンズのケア方法や取り扱いについての指導
定期検査の案内

購入方法

眼科で検査し、作成してもらったコンタクトレンズ指示書（処方せん）に基づき、店舗あるいはインターネット通販などでコンタクトレンズを購入します。

店舗で購入

処方医からのコンタクトレンズ指示書（処方せん）を持参し、店舗で購入

通販で購入

処方医からのコンタクトレンズ指示書（処方せん）をもとに、ネット通販などで購入

製品が届いたら、内容、パッケージの開封の有無、傷の有無を確認
異常があれば購入店に連絡

購入時の主な検査は？

コンタクトレンズ購入時の主な検査は？

コンタクトレンズ購入時に、通常、行われる検査としては、他覚的屈折検査、自覚的屈折検査、細隙灯（さいげきとう）顕微鏡検査があります。また、必要に応じて眼圧検査、眼底検査、視野検査が行われることがあります。

他覚的屈折検査^4)～8)

専用の機器（オートレフケラトメータなど）を用いて、近視、遠視、乱視などの屈折異常の有無と程度、角膜曲率半径（くろ目が描いているカーブの度合い）などを、他覚的に調べる検査です。機器をのぞき込んで中に見える気球などの絵を見ているだけで、屈折異常の程度が数値化されます。この検査での値や屈折異常の有無・程度は、その後に行う自覚的屈折検査の参考にされます。

なお、子どもの弱視を早期に発見するため、近年、3歳児健康診査（3歳児健診）において、屈折検査を導入する自治体が増加しています。

オートレフケラトメータ　写真提供：株式会社ニデック　※見える絵は機器によって異なります。　イメージ図

自覚的屈折検査^4)～7)

他覚的な屈折検査の結果を参考にして、本人の自覚的な見え方を測定します。いわゆる視力検査のことです。

視力検査は、眼科で行われる検査の基本中の基本ともいうべきもので、眼科を受診する患者さんの多くが受ける検査の1つです。日本では、通常、ランドルト環と呼ばれるアルファベットの「C」に似た記号が書かれた検査表を一定の距離から見て、環の切れ目の方向がどこまで細かく判別できるかどうかを調べます。

標準的な視力検査表では5m離れた距離から検査し、一番上の行のCマークが判別できれば視力は0.1以上あることになりますが、0.1が判別できない場合には、視力表と被検者との距離を短くして測定します。視力検査は眼科だけではなく、車の免許の更新や、健康診断などでも行うことがあります。

一方で、自覚的屈折検査とは、その方にとって一番よく見える状態にするために必要なレンズの種類や強さを決める検査です。この検査によって、近視または遠視や乱視の程度がわかり、眼鏡やコンタクトレンズの度数を決めることが可能になります。視力は同じ0.3であったとしても、近視で0.3の方もいれば、遠視で0.3の方もいますので、視力検査をしただけでは、その方が近視なのか遠視なのか、あるいは乱視があるのかどうかはわからないということになります。

なお、このランドルト環、実は世界で唯一のものではありません。例えば、中国ではアルファベットの「E」を視標として、「E」の文字の開いている方向を答える「Eチャート」、また欧米では、複数のアルファベットが並んだ「ETDRSチャート」と呼ばれるものが広く使用されています。

視力検査表ランドルト環環の切り目が認識できるかどうかがポイント！　※検査機器は施設によって異なります。写真提供：株式会社タカギセイコー　イメージ図

細隙灯顕微鏡検査^4)～8)

細隙灯（さいげきとう）顕微鏡と呼ばれる拡大鏡を使い、眼球やまぶたの状態を観察します。状況により、フルオレセインという検査用の色素を用いて観察する場合もあります。この色素を用いると涙の状態や目の傷などが観察しやすくなります。目に傷があるとその部分が緑色を帯びた蛍光色に染まるため、傷の有無や程度を調べることができます。

また、目の奥の詳細な観察が可能になる特殊なレンズを用いる場合もあります。

細隙灯顕微鏡は、コンタクトレンズのフィッティングを確認する際にも用いられます。

購入する際のポイント

コンタクトレンズを購入する際のポイント

検査の途中でも、コンタクトレンズに関して何か不明な点があれば、遠慮せずに質問したり、相談したりしましょう。特に、コンタクトレンズを初めて購入する方は、つけ外しの方法やケア方法など、わからないことや疑問に思うことがあると思います。気になることはどんどん質問して、疑問点を解消しておくことが大切です。また、目の状態によっては、度数やレンズの種類を変えた方が良い場合もあるため、２回目以降も、コンタクトレンズを購入する際には、都度、眼科を受診するようにしましょう。

コンタクトレンズ装用時の見え方や目の状態は、時間が経つにつれてだんだんと変化していきます。自分では調子がいいので問題ないと思っていても、いつの間にか、目の病気が起きているかもしれません。気づかないうちに悪化させてしまったということがないよう、眼科医の指示に従って定期検査を受けましょう。

まとめ

コンタクトレンズを購入する際、眼科で実施される検査の流れ、および主な検査とその内容についてご紹介しました。コンタクトレンズは高度管理医療機器であることを念頭におき、きちんと眼科を受診し、検査、診察を受け、眼科医の処方をもとに、コンタクトレンズを購入するようにしましょう。

＜参考資料＞

1) 一般社団法人日本コンタクトレンズ協会：購入するには

https://www.jcla.gr.jp/purchase/index.html

2) 日本コンタクトレンズ学会：コンタクトレンズ診療ガイドライン（第2版）

https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/contact_lens2.pdf

3) 公益社団法人日本眼科医会：コンタクトレンズ関連情報

https://www.gankaikai.or.jp/contact-lens/

4) 坪田一男他編：「眼科プラクティス　27．標準コンタクトレンズ診療」第1版文光堂, 2009

5) 前田直之他編：「新篇眼科プラクティス　9　必読！　コンタクトレンズ診療」第1版文光堂, 2023