出産時のコンタクトレンズ装用に関しては、産婦人科などでコンタクトレンズを絶対にはずすように指導された人もいれば、特に何もいわれなかった人もいるようです。この件に関し、関連学会から統一した見解は示されていませんが、実際には、出産・ 分娩時にはコンタクトレンズを外すように指導している医療機関が多いようです。
その理由として、お産では予期せぬことが起こりうるからです。例えば、自然分娩の予定でも、お産が順調に進まず、長時間の分娩になってしまうかもしれません。そうするとコンタクトレンズの装用時間が非常に長くなり、目のトラブルが起きる可能性が高くなってしまいます。
出産時のコンタクトレンズ装用については、添付文書上でも特に記載はありません。しかしながら、「3. 妊婦、産婦、授乳婦及び小児等への適用」の項に、「ご自身でのレンズのつけはずし等が困難な場合には、ご本人及びご家族等が、安全装用に必要なご指示を受けてください。」と書かれていることや、出産時には緊急事態に陥って自分自身でコンタクトレンズを外せなくなる可能性があることを考慮すると、出産時にはコンタクトレンズを外しておくのが安全・ 安心といえるでしょう。