眼科医の処方を受けたコンタクトレンズを使用していても、レンズケアが不適切だったり、レンズが汚れていたりすると、快適に装用できなくなるだけでなく、重篤な眼障害につながる場合もあります。コンタクトレンズの装用に伴うレンズの汚れ具合は人それぞれですので、コンタクトレンズの種類、汚れの程度や種類、装用者の性格、目の状態などを考慮して、個々の使用者に合った適切なレンズケアを使用することが必要です1)。
コンタクトレンズは素材によって、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズに分けられます。これらのケア方法は異なりますので、それぞれのケア方法をご紹介しますが、まず、ハードとソフトに共通するコンタクトレンズを取り扱う際の注意点や、こすり洗いの必要性について確認しておきましょう。
コンタクトレンズを取り扱う際の注意事項1),2)
ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズに関係なく、コンタクトレンズを取り扱う際には、下記のような点に注意しましょう。
- 目やレンズを傷つけないよう爪を短く切り丸くなめらかにしてください。
- コンタクトレンズを取り扱う前には、必ず石けんで手を洗い、きれいな布などで手を拭いておきましょう。
- コンタクトレンズのつけ外しは、落としても見つかりやすい場所で行うようにしましょう。
- コンタクトレンズの装用前には、レンズの傷、破損、変形、汚れの有無を確認してください。
- コンタクトレンズを舐めてはいけません。
- お化粧はコンタクトレンズをつけてから、お化粧落としはコンタクトレンズを外してから行いましょう。
(お化粧をするときも落とすときも、コンタクトレンズファーストです!) - コンタクトレンズを外した後には、レンズだけでなくレンズケースのケアもきちんと行いましょう。
こすり洗いの必要性1)
こすり洗いは強力な洗浄方法で、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズともに、こすり洗いは欠かせません。レンズをこすり洗いすることにより、目の分泌物であるタンパク質や脂質を落とし、微生物も1000分の1程度に減らすことができます。「こすり洗い不要」と書かれたつけおき洗浄のケア剤であっても、実際にはこすり洗いを併用しないと洗浄効果が著しく落ちるといわれています。特に、ソフトコンタクトレンズの場合は、こすり洗いをすることで洗浄効果も消毒効果も発揮されるため、どの洗浄方法を行う場合にも、こすり洗いを併用することが推奨されています。
ただし、ソフトコンタクトレンズでは、研磨剤の入ったケア剤は使用できません。眼科医の指示に従い、装用中のコンタクトレンズに合ったケア剤を適切に使用するようにしましょう。