コンタクトレンズ装用時の目の痛みは、次のような原因で生じることがあります。いずれの場合でも、痛みを感じたときにはレンズの装用を中止して、早めに眼科を受診してください。
異物が入っている
装用直後に目がしみたり、痛かったりする場合には、異物がついたコンタクトレンズを装用した可能性が考えられます。また、香水や化粧水などがついている手でコンタクトレンズを装用した場合も目がしみることがあります。中和が必要なケア剤でケアしているソフトコンタクトレンズの場合には、中和が不十分だと、目がしみる・ 痛い、という症状を招くこともあります。コンタクトレンズのケアは正しく行い、装用する前には流水と石けんで手指をよく洗い、繊維がつきにくいタオルで拭くようにしましょう。
コンタクトレンズ装用中に急な痛みを感じる場合には、角膜(黒目)とコンタクトレンズの間に砂やほこりなどが混入してしまった可能性があります。この状態で目をこすると角膜を傷つけてしまうことがあります。こするのではなく、コンタクトレンズ用の目薬をさしてみたり、再装用が可能なコンタクトレンズの場合には、コンタクトレンズを外してケア剤で洗浄してみたり、するようにしましょう。1dayタイプ(一日使い捨て)のコンタクトレンズの場合には、一度でも外したコンタクトレンズは捨てるしかありません。また2weekタイプ(2週間頻回交換)のコンタクトレンズの場合にも、ケア剤もいつも持ち歩いているとも限らないので、万が一の場合に備え、眼鏡や予備のコンタクトレンズを持っていると安心かもしれません。
コンタクトレンズに異常がある
コンタクトレンズ自体の傷や変形も目の痛みや異物感の原因になることがあります。レンズが古かったり、こすり洗いが過度であったり、手指が荒れていたり、ソフトコンタクトレンズが完全に保存液に浸かっていなかったり、保存ケースの縁にレンズをかませてしまっていたり、さまざまな原因でコンタクトレンズに傷や変形が生じます。装用前にレンズの状態を確認するようにしましょう。レンズ中央部分は確認時に指の上にあるので、破損があっても気づきにくい場所であるといえます。また、小さい破損は確認できない場合もあります。レンズの状態を確認していても、コンタクトレンズを装用中に痛みを感じる場合には、すぐに外すようにしましょう。
また、ソフトコンタクトレンズはレンズが乾いた状態で力を加えると破損することがあります。レンズを外すときにレンズが目に張り付いてしまっている場合には、そのまま外すのではなく、人工涙液の目薬などを何度か点眼して、潤してから優しく外すようにしましょう。
まれに、新品のコンタクトレンズでも、破損や変形などがみられることがあります。開封したてのレンズであっても、装用前には必ずレンズの状態を確認しましょう。新品のコンタクトレンズに異常があった場合は、使用せずに製造販売元に連絡しましょう。
乾燥している
ソフトコンタクトレンズは涙の厚みに比べて約10倍も厚く、角膜よりも大きいサイズのレンズです。このように厚くて大きなものを装用すると、レンズ上の涙は薄く不安定な状態になりやすくなります。この状態でまばたきをすると、レンズと上まぶたの間に摩擦が生じて、異物感や痛みを覚えることがあります。ハードコンタクトレンズは角膜より小さいレンズですが、レンズの下に目の表面の涙を吸い込んでしまうため、レンズに覆われていない部分の目が乾きやすくなります。
普段は涙がふんだんにあって、快適にコンタクトレンズを装用できる方であっても、エアコンで空気が乾燥していたり、パソコン作業や読書といったまばたきが減少したりするような状況では、一時的に乾きやすくなり、目がしみたり、痛みやゴロゴロ感を覚えることもあります。