コンタクトレンズに関連するアレルギーとは?原因や症状を解説
作成日:2024/11/1 更新日:2024/11/14
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コンタクトレンズに関連するアレルギーの原因
私たちの体には「免疫」という、さまざまな異物から身を守るための仕組みが備わっています。この免疫の働きが、ある特定の異物に対して過剰に反応し、体にさまざまな症状が引き起こされることをアレルギー反応といいます。
コンタクトレンズに関連するアレルギーとしては、コンタクトレンズの装用自体によって引き起こされる乳頭結膜炎(contact lens-related papillary conjunctivitis:CLPC)や、巨大乳頭結膜炎(giant papillary conjunctivitis:GPC)と、コンタクトレンズの装用者がスギ花粉やハウスダスト、ダニなどによってアレルギー性結膜炎を発症するという2パターンがあります1)。なお、CLPCは上まぶた裏側の乳頭(ブツブツ)増殖所見が特徴ですが、乳頭の大きさが1mm以上のものをGPCと呼んでいます。
CLPCやGPCの発症には、コンタクトレンズや義眼、手術用縫合糸などによる眼瞼結膜(まぶたをひっくり返して見える部分)への機械的な刺激と、コンタクトレンズに付着した汚れ、タンパクなどに対するアレルギー反応が関与していると考えられています1),2)。
コンタクトレンズに関連するアレルギーの症状
CLPCやGPCは、コンタクトレンズによる機械的刺激とコンタクトレンズに付着した汚れに対する免疫応答とが関与する結膜炎と考えられています3)。コンタクトレンズに関連するアレルギーの症状にはさまざまなものがありますが、主な症状として次のようなものがあります。
コンタクトレンズがずれる
上まぶたの裏側に白い乳頭ができるCLPCや重症型のGPCでは、乳頭のせいでまぶたの裏側がでこぼこした状態になり、コンタクトレンズが上方に引き上げられ、レンズがずれやすくなることがあります。
常に目がゴロゴロする
まぶたの裏側にできた乳頭が、まばたきをするたびに角膜(くろ目)に接触し、ゴロゴロしたり、違和感を覚えたりすることがあります。コンタクトレンズの装用時だけでなく、はずしているときにもゴロゴロするようであれば、まぶたの裏を確認してみると良いでしょう。
目やにが多い
目やには、目の新陳代謝によって出た老廃物や目に入った異物が固まったものです。アレルギーなどで目に炎症が起きると、普段より目やにの量が増えることがあります。コンタクトレンズの装用に伴うアレルギーの場合には、透明でさらさらとした目やにが出て、乾くと粉を吹いたようになります。
コンタクトレンズがくもる、見え方がかすむ
結膜炎により分泌物が増え、それがレンズに付着するとレンズが曇ってしまい、見え方がかすみます。
目がかゆい
目やにの増加に加え、目のかゆみを感じる場合には、コンタクトレンズの装用によるアレルギーを起こしている可能性があります。花粉が大量飛散する春先のシーズンには、花粉症によるアレルギーと考えがちなので、注意が必要です。
まとめ
コンタクトレンズ装用に伴うアレルギーの原因は、コンタクトレンズによる機械的刺激とコンタクトレンズに付着した汚れと考えられています3)。眼科医の指示に従って正しい使用方法を守り、適切なレンズケアを行い、定期的な検査を受けることで、快適な目の状態を保つようにしましょう。
<参考資料>
1) 前田 直之 他 編:「新篇眼科プラクティス 9 必読! コンタクトレンズ診療」 第1版 文光堂, 2023
2) 眞鍋 禮三 他 監:「角膜クリニック」 第3版 医学書院, 2021
3) 大橋 裕一 編:「専門医のための眼科診療クオリファイ 6 コンタクトレンズ自由自在」 初版 中山書店, 2011