コンタクトレンズが外れない・取れないときの対処法! 原因や正しい外し方を解説
作成日:2024/11/13 更新日:2024/11/13
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コンタクトレンズが外れない・取れない原因と対処法
目の表面に張り付いて外れない場合
コンタクトレンズが目の表面に張り付いて外れない場合、乾燥が原因の1つだと考えられます。特に、コンタクトレンズを長時間装用したり、コンタクトレンズを装用したまま寝てしまったりすると、乾燥してレンズが張り付き、外れなくなることがあります。このような場合には、無理に外そうとしないでください。まずはゆっくりと何回かまばたきをして、コンタクトレンズと目に潤いを与えましょう。コンタクトレンズが動くようになったら、角膜(くろ目)を傷つけないようにゆっくりと外してください。
目の中で行方不明になって取れない場合
コンタクトレンズが角膜からずれて、目の中で行方不明になった場合、まず鏡を見ながら目を上下左右に動かして、結膜(しろ目)の部分やまぶたの内側にレンズがないか確認してみましょう。結膜のほうにずれたコンタクトレンズを探す場合は、慌てず目を閉じ、その後ゆっくり目を動かすと、コンタクトレンズが目で見える範囲に移動して、見つかる可能性があります。それでも見つからず、目に違和感もない場合は、いつの間にかレンズが外れてしまったとも考えられますが、レンズが見つからない場合には、眼科を受診して相談しましょう。
なお、コンタクトレンズが目の中で行方不明になり、外せなくなった場合、「もしかしたら、目の裏側(目の奥)に入り込んでしまったのかも」と不安になるかもしれません。しかし、目の表面を覆っている結膜は、まぶたの内側とつながって袋状になっています。そのため、レンズが目の裏側に入り込んでしまうことはないのでご安心ください。
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レンズが滑りやすい場合
ソフトコンタクトレンズの場合、レンズの素材によっては、指が濡れているとツルツルと滑ってしまい、うまくレンズをずらしたり、つまんだりできない場合があります。手を洗った後は、指についた水分をしっかり拭き取ってからレンズを外すようにしましょう。
どうしても外れない場合・見つからない場合はどうしたらいい?
どうしても外れない場合
手持ちの人工涙液の目薬などがあれば、点眼してコンタクトレンズに潤いを与えた上で、レンズを動かしてみましょう。それでも外れなかった場合には、洗面器に水かぬるま湯を入れ、顔をつけ、水の中でまばたきをしてみてください。レンズが浮き上がってきて外れる場合があります。ただし、ソフトコンタクトレンズの場合、水が付着したレンズは使用できなくなってしまうので、この方法を試す際にはご注意ください。
ハードコンタクトレンズの場合には、水を使った方法で外しても再使用が可能です。ただし、両目を一度に外そうとすると、外れた時にレンズの左右が分からなくなってしまうので、片目ずつ行いましょう。
どこにも見つからない場合
気づかないうちに、レンズが外れて落ちてしまった可能性が高いと考えられますが、目の中に残っている可能性もありますので、念のため眼科を受診して相談しましょう。
コンタクトレンズが外れなくなるのを防ぐには1)~3)
まばたきをする
まばたきには、涙の分泌を促したり、下まぶたのところにたまった涙を目の表面に塗り直したりする役割があるため、まばたきが減少すると、涙の量が減って目が乾燥してしまいます。特に、ゲームをしたり、パソコンやスマートフォンの操作に集中していると、まばたきの回数が減り、目が乾燥してしまうため、意識的にまばたきすることを心がけましょう。
乾燥しない環境で過ごす
空気が乾燥していると、涙の蒸発量が増えて目が乾燥してしまいます。加湿器などをうまく使い、空気が乾燥し過ぎないように気をつけましょう。また、エアコンの風を直接浴びると涙の蒸発量がさらに増えてしまうので、直接当たらないように調節しましょう。
なかなか目の乾燥が改善されず、「目が疲れる」、「目がゴロゴロする」などの症状がある場合は、ドライアイの可能性があります。治療せずに放置すると、悪化してさらなる目のトラブルにつながる可能性がありますので、症状がある場合には、早めに眼科を受診しましょう。
長時間装用しない
コンタクトレンズの装用時間は、コンタクトレンズの種類や製品によって異なりますので、各製品の添付文書でご確認ください。ただし、装用に慣れるまでの時間や適切な装用時間、目の状態には個人差がありますので、眼科医の指示に従い、自己判断で長時間装用することはやめましょう。また、寝る前には、就寝時も装用できる特別なコンタクトレンズ以外、必ず外しましょう。
コンタクトレンズのケアを怠らない
コンタクトレンズが汚れると、レンズの表面に涙が広がりにくくなるため、目の乾燥感につながります。2weekタイプ(2週間頻回交換)など、継続して使用するタイプのコンタクトレンズを使っている方は、毎日のケアをしっかりと行いましょう。また、レンズケースも添付文書(説明書)に従い、ケアすることが大切です。使用後は毎回ケア剤を捨て、ケースはケア剤または流水でよく洗い、清潔な場所で自然乾燥させましょう。ケースも定期的に交換するようにしましょう。
ご自身の目に合ったコンタクトレンズを購入する
コンタクトレンズは、自分の目に合ったものを装用することが大切です。コンタクトレンズを購入する際には、必ず眼科で検査・診察を受け、自分の目に合ったレンズを処方してもらいましょう。
ソフトコンタクトレンズの正しい外し方
コンタクトレンズが外れなくて困ったときだけではなく、普段から正しい方法で外すようにしましょう。下記は一般的な外し方ですが、ソフトコンタクトレンズは目の上のレンズを直接つまんで外すので、まずは手をきれいに洗って拭き、爪が長くないか、滑らかになっているかを確認してから外すようにしましょう。
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1. レンズを外す前に石けんで手をよく洗う
レンズに触れる前には、必ず石けんで手や指を十分に洗い、石けんが残らないようによくすすいでください。手には化粧品やクリーム、ヘアケア剤などが残っていることがあります。何もついていない清潔な手でレンズを取り扱うようにしてください。
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2. レンズをずらす
利き手の中指で下まぶたを引き下げながら、人差し指でレンズを角膜より少し下にずらし、レンズ下方約半分が結膜の上にのるようにします。
レンズをずらさずに無理に外すと、角膜を傷つけることがあります。レンズが動きにくいときは、数回ゆっくり大きくまばたきをするか、眼科医の指示に従いソフトコンタクトレンズ用の目薬を点眼して、十分に水分を含ませてからずらしてください。
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3. レンズをつまむ
利き手の親指と人差し指の腹でレンズの下方をつまんで取り出します。
このとき爪で目を傷つけたり、レンズを破損しないように注意してください。
まとめ
コンタクトレンズを無理に外そうとするのは、大切な目を傷つけてしまう可能性があるため避けましょう。ご紹介した方法でも外れないときは、眼科医に相談しましょう。
<参考資料>
1) 公益社団法人 日本眼科医会:パソコンと目
https://www.gankaikai.or.jp/health/42/
2) 公益財団法人 日本眼科学会:目の病気 ドライアイ
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=9
3) 日本コンタクトレンズ学会:正しいコンタクトレンズのケア
http://www.clgakkai.jp/general/study.html