コンタクトレンズ装用中に目が乾いていると感じた場合、できれば医療機関を受診することが望ましいのですが、なかなか予定が合わない、時間がないという場合には、応急処置として自分でできる対処法を試してみましょう。
まばたきの回数を増やす
目の乾きを改善するための対処法の1つとして、まばたきの回数を増やすことが挙げられます1)。まばたきをすると新しい涙が分泌され、また、下まぶたの上にたまった涙が再び目の表面を覆うため、目の表面の涙を整えることができます。特に、パソコンやスマートフォン、読書など、何かに集中していると、まばたきが不完全になったり、まばたきの回数が減ったりするため、少し意識して、まばたきの回数を増やすようにしましょう。
なお、目が乾燥すると、コンタクトレンズと上まぶたの間の摩擦が大きくなり、まばたきをした際、コンタクトレンズがずれてしまうことがあります。このような状況を予防する意味でも、日頃から意識的にまばたきをして、涙で目の表面を潤しておくことが大切です。
目薬を使用する
目が乾く場合には、目薬をさすことで一時的に目に水分を与え、目の乾きを緩和することができます1)。市販の目薬であれば手軽に購入できるため、薬局やドラッグストアなどで購入し、こまめにさすようにしましょう。目の潤いを保つ効果があるヒアルロン酸ナトリウムやコンドロイチン硫酸ナトリウムなどが配合されている目薬を選びましょう。コンタクトレンズを装用している場合には、レンズへの吸着を避けるため、防腐剤の入っていない人工涙液タイプの目薬を使用してください。
目薬を購入する際には薬剤師と相談し、症状に合った適切な目薬を選びましょう。また、目薬の使い過ぎに注意して、用法・ 用量を守って正しく使用しましょう。なお、市販の目薬を数日間使用しても症状の改善がみられない場合には、使用を中止し、眼科を受診するようにしましょう。
目を定期的に休ませる2),3)
パソコンやスマートフォンなどのVDTを長時間使用する作業は、目を乾燥させると同時に、ドライアイ症状を生じる可能性があります。VDT作業を行う際には、1時間ごとに10~15分程度の休憩を取り、窓の外をぼんやり見たりするなどして、目を休めるのも効果的です。
また、目が疲れないようにするためにも、ディスプレイ画面を明るくしすぎないようにし(500ルクス以下)、外の光が画面に入り込んでしまう場合は、ブラインドやカーテンを利用しましょう。キーボートや書類を置く机は作業に支障が出ないような十分な明るさ(机上の照度が300ルクス以上)に保ちましょう。
目が乾燥する環境を避ける2)~4)
エアコンを使用すると部屋の空気が乾燥します。加湿器などを利用して湿度を調整しましょう。
VDT作業をする方は、ディスプレイ画面が目線よりも下にくるように調整しましょう。特に、デスクトップパソコンを使っている方は、画面が目よりも高い位置になりやすく、作業中、上目使いになっていることがあるので注意が必要です。なお、ディスプレイ画面が高い位置にあると目が乾いてしまうのは、目を上に向けるためにまぶたを大きく開くことになり、目の表面にある涙液が蒸発しやすくなるためです4)。
コンタクトレンズの種類を変更してみる
コンタクトレンズの種類を変更してみるのも選択肢の1つです。コンタクトレンズの種類や素材を変えることで、目の乾燥感が改善される場合があります。レンズ表面の涙が安定しやすい、目の乾燥感を覚えにくい、まばたきの際にまぶたがスムーズに移動し、摩擦を起こしにくいといった特長をもったレンズもありますので、興味がある方は、眼科医に相談してみましょう。
コンタクトレンズの正しい使い方やケアをする5)
コンタクトレンズを正しく安全に取り扱いましょう。1dayタイプ(1日使い捨て)のコンタクトレンズは、一度外したら必ず捨てて、新しいレンズに交換してください。2weekタイプ(2週間頻回交換)や1monthタイプ(1ヵ月定期交換)のようなコンタクトレンズを使っている方、またはハードコンタクトレンズを使っている方は、毎日のケアをしっかりと正しく行い、レンズを清潔な状態に保つことが大切です。レンズケースにも汚れがたまりますので、忘れずにケアしましょう。