ソフトコンタクトレンズ/ハードコンタクトレンズの違い・1day/2weekの違い
それぞれのおすすめポイントを紹介
作成日:2024/11/13 更新日:2024/11/13
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コンタクトレンズの種類
コンタクトレンズはレンズ素材の違いによって、大きく「ソフトコンタクトレンズ」と「ハードコンタクトレンズ」に分けられます。また、ソフトコンタクトレンズは、使用期間や装用方法のなどの違いによって、「使い捨てソフトコンタクトレンズ」、「頻回交換ソフトコンタクトレンズ」、「定期交換ソフトコンタクトレンズ」、「終日装用」、「連続装用」の分類があります。
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ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの違い1)~5)
ソフトコンタクトレンズは、水分を含んだやわらかい素材でできているため、目になじみやすく、はずれにくいのが特徴です。一方、ハードコンタクトレンズは水を含まない硬い素材でできており、強い近視や乱視などの特殊な矯正も可能なのが特徴です。ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズには、下表のような違いがあります。
ソフトコンタクトレンズの酸素透過性については、ハイドロゲルレンズといわれる、いわゆるレンズの中の水分を介して酸素が通るレンズでは水の量が多い高含水ほど酸素がよく通りますが、現在ではシリコーンハイドロゲルレンズという、シリコーン素材そのものが酸素を通すレンズが発売され、含水率は酸素透過性の観点から重要ではなくなってきました。一方でシリコーンハイドロゲルはシリコーン自体が比較的硬いという特性があるため、シリコーンの分量が多いと酸素が良く通る反面、硬さを感じることがあるかもしれません。
なお、ソフトコンタクトレンズには、乱視用、遠近両用のほかに、1dayタイプ、2weekタイプなどがあるのに対し、ハードコンタクトレンズには、乱視用、遠近両用のほかに、円錐角膜用、オルソケラトロジー用など、特殊な目的のコンタクトレンズがあるという違いもあります。
ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの違い2),3)
分類 | ソフトコンタクトレンズ4) | ハードコンタクトレンズ5) |
---|---|---|
| ![]() | ![]() |
概要 | ・水を含む柔らかいポリマー ・角膜全体を覆う大きさ (直径:13.0~15.0mm程度) | ・水を含まない硬質なポリマー ・角膜の一部を覆う大きさ (直径:8.5~9.5mm程度) |
不正乱視 | 矯正不可能 | 矯正可能 |
酸素透過性 | 製品により異なる。ばらつき大 | 優れている |
装用感 | ・良い。違和感が少ない。初心者向き ・ずれにくく、脱落が少ない ・眼障害に気づきにくい | ・違和感に慣れるまでに時間がかかる ・ずれやすく・脱落しやすい ・眼障害に気づきやすい |
耐久性 | やや劣る(長期間使用するタイプのほか、1day、2weekタイプなどあり) | 高い |
使い捨てタイプ | あり | なし ※一部製品を除く |
2)~5)より作成
ハードコンタクトレンズはこんな方におすすめ3),5)
1dayタイプ/2weekタイプのコンタクトレンズの違い
1dayタイプのコンタクトレンズはこんな方におすすめ
ソフトコンタクトレンズで1dayタイプがいいか、2weekタイプがいいか迷ったら、ご自身のライフスタイルから選択するのも1つの方法です。次のような方は、1dayタイプのコンタクトレンズを使ってみたい旨、眼科医に相談してみるとよいでしょう。
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旅行やお出かけの機会が多い
1dayタイプは1日で使い捨てるので、普段は2weekをお使いの方でも、ケア用品を持って行く必要がありません。旅行のときには荷物を増やさずにすみますので、便利かもしれません。旅行やお出かけの日にだけ1 day タイプのコンタクトレンズにするのもおすすめです。
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スポーツの機会が多い
スポーツの機会が多い方にも1dayタイプのコンタクトレンズがおすすめです。ソフトコンタクトレンズはレンズの直径が大きく柔らかく目にフィットするため、ずれにくく、激しい運動時にも装用できます。また、スポーツをすると汗をかいて目に入り、コンタクトレンズが汚れやすくなるので、1日で使い捨てる1dayタイプが向いている場合もあります。
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花粉症のシーズン
花粉の飛散シーズンには、アレルギー症状を悪化させないよう、できるだけメガネで過ごす方が好ましいのですが、どうしてもコンタクトレンズを使用したい場合もあるかと思います。そんな時には、1dayタイプのコンタクトレンズがおすすめです。コンタクトレンズに付着した花粉も目の分泌物も、すべてレンズと一緒に捨ててしまうことができます。
コンタクトレンズを時々使う
2week タイプのコンタクトレンズの場合、毎日使わなくても、一度開封すると、使用期間が経ったら交換が必要です。そのため、「平日はメガネを使い、休日はコンタクトレンズにしたい」というように、毎日のおしゃれにメガネとコンタクトレンズを使い分けたい方や、コンタクトレンズを使うシーンが限られている場合には、1dayの方が良いでしょう。
お手入れを負担に感じる
2weekタイプは、コンタクトレンズを目からはずすたびに、ケア剤でのこすり洗いと保管が必要です。この毎日のケアを負担に感じる方もいるかもしれません。しかし、こすり洗いを省略するなど適切なレンズケアを怠ると、目のトラブルを引き起こしかねません。毎日のお手入れを習慣にするのが難しそうな方は、1dayタイプが向いているかもしれません。
まとめ
この記事では、コンタクトレンズの種類と違いについて解説しました。ただし、コンタクトレンズは、目の状態やライフスタイル、使用頻度などに合わせて、適切なタイプのものを使用する必要があるため、どのコンタクトレンズが自分に合っているかは自己判断せず、眼科医に相談しましょう。
<参考資料>
1) 一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会:コンタクトレンズについて
https://www.jcla.gr.jp/contactlens/index.html
2) 坪田 一男 他 編:「眼科プラクティス 27.標準コンタクトレンズ診療」 第1版 文光堂, 2009
3) 植田 喜一 編:「眼科スタッフのためのCL(コンタクトレンズ)で困ったときに開く本」 第1版 廣済堂, 2009
4) 糸井 素純:あたらしい眼科 31(7):997-998, 2014
5) 糸井 素純:あたらしい眼科 31(6):841-842, 2014